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ただいま残りの敵グラ仕上げ中です


(注: SCPネタ注意! 微ホラー注意! 苦手な方はパスしてください)



アイテム番号: SCP-███-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-███-JPはサイト-81██の保管棟-37内にある収容ロッカーに電子ロックによって施錠した上で保管します。

レベル3以上のセキュリティクリアランスを持つ職員は差し迫った必要性と有意性が認められた場合のみ、SCP-███-JPを外部ネットワークから完全に遮断したサイト-81██内のコンピュータに接続し実験を行うことが許可されています。実験中はオブジェクトが接続されたコンピュータに別の電子媒体を接続することは禁止されています。また実験終了後はSCP-███-JPとの接続を解除した後、実験に使用したコンピュータの初期化処理を実施してください。

説明: SCP-███-JPは侵入したコンピュータ内のソフトウェアのソースを改変する機能を持ったコンピュータウィルスです。東京都██区内の独立系ゲーム開発会社███のオフィスのパソコンから発見されました。現在SCP-███-JPの実体は財団が用意した長期記憶媒体内に保存され、収容されています。ウィルス本体のソースコードは未知の言語によって記述されていますが、感染したコンピュータの動作環境を選ばないことからチューリング完全性を示していると考えられています。このウィルスはスパムメールに擬態しネットワークを介して拡散する能力を持つため、取り扱いには十分な配慮を要します。一方で物理的、電子的に隔離された端末からの移動は確認されておらずアンチウィルスソフトによって容易に消去されるなど、プログラムとしての性質を超えた物的特異性は示しません。

SCP-███-JPはコンピュータに侵入するとワードプロセッサ、ペイントソフト、統合開発環境等に感染しそのソースコードを改変します。感染したソフトウェアは画面上では変化を示さないため、ユーザーが感染に気付くことは極めて困難です。また感染したソフトウェアをハッキングによって解析すると、明らかに処理上不要と思われるコードが追加されているのみで特異性を確認することは出来ません。

sample201803241.png

SCP-███-JPに感染したソフト(以下SCP-███-JP-Aと記述)を使用した人間はその時点で創作している非現実の対象に徐々に執着を抱くようになります。初期の段階では創作活動への単純な熱意の高揚として観測されますが、症状が進行すると食事や睡眠といった日常生活の遂行が困難になり、創作活動のみに強烈な執着を示すようになります。中期の段階に入ると現実世界の認識に齟齬をきたすようになり、記憶障害、妄想、妄言、幻覚、幻聴等の症状が見られるようになります。作品が完成に近づくにつれて症状は進行し、そのままユーザーを放置した場合、完成後にユーザーが忽然と姿を消すことが確認されています。これにより行方不明となった人間は現在も捜索が続けられていますが、その行先について何ら手掛かりを掴めていません。

実験記録███-2 - 日付20██/█/██~██/██


対象: 過去に創作経験を持つDクラス職員10名(男女不問21~48歳)

実施方法: SCP-███-JPに感染させたRPG開発ソフト█████████によるファンタジーゲームの製作を指示。(被験者には開始時の意欲喚起のため予めゲームの完成報酬として解雇予定日時の延長を伝えておく。)

結果:実験開始から3日以内に10人すべての被験者が作業に肯定的な意志を抱くことが確認される。また特に影響が顕著な被験者についてはこの時点で睡眠時間の減少、摂食量の減少が見られる。

実験開始から7日後、██研究員の聞き取りに対し9名の被験者が今製作しているゲームのシナリオについて「以前から既に知っていた気がする」と発言し、また残りの1名についても作成しているマップに既視感を覚えると回答した。その内容について更に聞き取ると、いずれの被験者も過去に経験した物語をなぞるようにその仔細を極めて具体的に描写した。

実験開始から18日後、最も早く作業を進めていた被験者がゲームを完成させる。しかし██研究員がこの被験者の作業室を訪れると既にその姿は消失しており、強度視覚補正バイザーを着用の上コンピュータの画面を確認すると、パッケージングされたゲームの完成データのみが残されていた。部屋に設置された監視カメラの映像では、被験者は突如青白い光に包まれ収束の後に僅かに燐光を残しながら姿を消していた。

実験開始から21日後の聞き取り調査では、残る9名全てがゲームを完成させなくてはならないという妄執に憑かれていることが確認され、そのうち3名は自分に起きた変化に戸惑いと恐怖を感じていた。また影響が顕著な被験者については「どうして俺はこんな所に居るんだ?」等の記憶障害が見られ、幻覚、妄言、作業進捗を4日に一度ブログで報告するといった症状を発症した。

実験開始から23日後、2番目に早く完成に近づいていた被験者に██研究員が聞き取り調査を実施。この被験者は既に認知に重篤な症状を見せており、██研究員の質問に対して「何もかも思い出した」「もうすぐ帰れる」「待っていてくれ」等の不明瞭な言葉を返し、意思疎通は困難であった。

実験開始から24日後、[データ削除済]

実験開始から29日後、始めに消失した被験者から数えて7番目の被験者がゲームを完成させ、消失した。同時にこの時点で残る3名は動悸や著しい恐怖感を理由にゲーム製作の継続を拒否しており、この状態が7日間以上続いたため██研究員はこれ以上の継続は困難と判断し、実験は打ち切られた。

分析: 客観的観測によればSCP-███-JP-Aは対象にゲーム製作に対する強迫観念を植え付け、完成と同時にその肉体を消失させるものである。しかし延べ██回に渡る実験と聞き取り調査の内容を鑑みるに、対象は総じてSCP-███-JP-Aによって経験したはずのない記憶を想起し、それをゲームの中に再現することに強く執着する傾向が見られる。この時想起される記憶は極めて明瞭かつ具体的で、それが現実世界といかにかけ離れたものであっても、本人しか知り得ない情報の総体として立ち現れる。

SCP-███-JPのもたらす影響が単なる認識汚染なのか、あるいは対象に何らかの心理的覚醒をもたらし我々の知覚可能な領域を超えた物を伝えているのかについては判断するに足る根拠を得られない。





soraf8.png「補遺はどうしましょう……やっぱり所長には消えてもらっ――」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
yagf1.png「深空ちゃん、ずっと難しい顔して書いてるけど大丈夫?
             分からないことがあれば相談に乗るけど……」

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soraf8.png「あ、いえ……何でもないです、はい!」
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(※本記事はSCP Foundationを基にしたジョーク作品です。
 ※今日はおたより箱はお休みです、すみません。)
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