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【深空さんの本棚】第1回

soraf3.png「え、えーっと――それでは……コホン」
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soraf5.png「【深空さんの本棚】のコーナー、ですー。パチパチパチー」
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soraf6.png「あの……私、紹介していただいたばっかりでこんな単独コーナーを
             頂いてしまって本当によろしいのでしょうか……?
             というかあの、私のお仕事は……?」
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soraf4.png「――いやいや、所長に代わりにやっていただくなんてそんな……!
             うぅ……とはいえせっかくいただいた機会ですし……かしこまりました。
             それでは今回は不肖私が以前読んで好きになった本をご紹介させていただきたいと思います」
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soraf2.png「では、今回ご紹介するのはこちらです。『アルケミスト 夢を旅した少年』――」

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

『読書メーター』
さんではなんと2,000以上のレビューが付いている作品ですので、

もしかしたら皆さんの中にも読んだことがある人がいるかもしれません。

私は読み終わった本はすぐ売りに行ってしまうので本棚にはほとんど本が無いのですが、

この本だけはずっととっておきたいな……と思ってなかなか手放せないでいる本です。



さて、著者のパウロ・コエーリョ様ですが、こちらはブラジルの方です。

本業は小説と作詞ですが作家になる前も、そして作家になった後にも世界を回る

旅をされていらっしゃるとてもアクティブな方です。

もちろんその経験、見聞した神秘の数々は代表作である『アルケミスト』の中にもとてもよく表されています。



物語のあらすじですが、表紙にある紹介文をそのまま読んでみますね……

  ”羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。
   そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、
   アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。”

物語は終始どこか神秘的な雰囲気に包まれています。

子供でも読めるくらいとても平易な語り口ですが、一つ一つの出来事がサンチャゴ少年を精神的に導くような

非常に教訓的な物語となっています。

ひとつの旅と、そして人生の指針を定める示唆がたくさん盛り込まれていることから、自己啓発書として愛読

されている方も多いようですね」
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soraf1.png
「話は前後してしまいますが、前作の『メリディスの剣』を書き起こすうえでもこの本は参考にさせていただきました。

と言いますのも、旅をする本は数ありますが、この本に関しては”なぜ旅をするのか?

もっと言えば”なぜ旅に出る必要があるのか?”という問いが物語の主題になっているのです。

その問いはとても現実的な視点から発せられていて、例えばこんなくだり――

  ”あの男も、子供の時は、旅をしたがっていた。しかし、まずパン屋の店を買い、お金をためることにした。
   そして年をとったら、アフリカに行って一ヵ月過ごすつもりだ。
   人は、自分の夢見ていることをいつでも実行できることに、あの男は気が付いていないのだよ”

  ”結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ”

私たちも普段”あれをやってみたい””こんなことをしたい”と考えることがあるかと思います。

そして中には”これをすることが自分の使命だ”と確信をもって自分のすべてをささげて打ち込む人もいるでしょう。

前者が後者に至る過程ではどんな経験があったのか?

その内面的な経験を掘り起こしてまとめたのが『アルケミスト』で描かれている旅程と言うことが出来ます」

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soraf2.png
「その旅の内容については既に世界中で素晴らしいレビューがたくさん書かれていますので改めて

何か書くこともないのですが、ひとつ私の個人的な経験から印象に残ったことについて……」
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soraf8.png
前兆』です。
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soraf1.png
この本の中で何度も登場する『前兆』という言葉ですが、これをどう受け止めるかは読者によってさまざまだと思います。

  ”宝物を見つけるためには、前兆に従って行かなくてはならない。
   神様は誰にでも行く道を用意して下さるものだ。
   神様がおまえのために残してくれた前兆を、読んでゆくだけでいいのだ”

すべての物事が起こる前には必ず前兆がある、とこの本の著者は言っています。

ともすると宗教的であったり、あるいはスピリチュアルにかぶれた考えかもしれませんが、

不思議なことに私はこの本を読む前にも同じことをいろいろな場所で聞いたことがありました。

それは私が昔、1ヵ月をかけて新潟から長崎の離島(五島列島)まで旅した時のことですが、

ゆく先々で出会ったベテラントラベラーの方々から聞いた話で、お会いした場所も年齢もバラバラなのに

不思議と誰もが当たり前のように『前兆』について知っていらっしゃるようでした。

(自分はもしかしてファンタジーよりもすごい世界にすんでいるのでは?なんて考えたりもしましたね……
 今となってはお恥ずかしいです……)

じっさい、困っている時には必ず知らない誰かが助けてくれましたし、地図にない道を行く時には必ず

案内してくれる何かが待っていますし、私が生まれて初めて生きた蛍や祇園祭の宵山を見たのも

そういった旅の『前兆』があったからでした。(とても感動しました……)

ある宿では『君みたいな若い子が来るなんて本当に珍しい。明日は何かいいことがあるんじゃないかな』と言われて、

まさに翌日の朝――『ちょっと庭に来てくれよ、今年一番の朝顔が咲いたんだ!』と聞いた時にはすこし頭が

くらくらしましたが……まあ、旅をしているとそんな経験が当たり前のようにやってくるのですね」
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soraf1.png
「『前兆』とは何かといわれると難しいですし、どうしてそんなものがあるのか説明は出来ないですけど、

私の個人的な経験から言わせて頂ければ『前兆』は確かにあります。

今日ではそういったものに出会うことはまれになってしまいましたが、『アルケミスト』を呼んだ折に、

あー確かにそんなものがありました……と大変懐かしく思い、そのため強く印象に残っている本でもあります」
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soraf2.png
「ここには18歳未満の方はいらっしゃらないはずなのでお若い方は少ないかもしれませんが、

ぜひ若い方にほど読んでいただきたいな、と思いますね。



長々とお話ししてしまいましたが、お聞きくださりありがとうございました」






alch20171004.png
(▲一番印象に残っているシーン。夜の砂漠を安全に越えるには前兆を見落とさないことが大事。エセ漫画風に……)
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コメント

[C177]

感じるところはありますが、私は言葉ではうまく
表現できませんので。
イイネ!!  で。

[C178] Re: タイトルなし

> 感じるところはありますが、私は言葉ではうまく
> 表現できませんので。
> イイネ!!  で。

「わー、ありがとうございます。ブログでもいいね!ボタン欲しいですよね……」(深空)
  • 2017-10-04 20:55
  • MIZUKU
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  • 編集

[C181]

存外、見落としているだけでいろんな前兆はあるのでしょうねw
寄り道した帰りに美少女とかは・・・ないですか。
悲しいので富士御殿場に隕石降ってくるのを楽しみにしています。

[C182] Re: タイトルなし

> 存外、見落としているだけでいろんな前兆はあるのでしょうねw
> 寄り道した帰りに美少女とかは・・・ないですか。
> 悲しいので富士御殿場に隕石降ってくるのを楽しみにしています。

「ありがとうございます。もうすぐ降ってきますのでよろしくお待ちくださいね」(深空)
  • 2017-10-06 11:11
  • MIZUKU
  • URL
  • 編集

[C183]

私の場合は前兆の逆パターン?が多いです。
私は2回死にかけましたがなんかそんな中でもなんとかなるって気持ちがありました。
そんな何も具体性がないけど確かな確信も前兆なら私も前兆はあると思います。

馬鹿な人にも多いけど、結構深刻な目に逢っている人もなんとかなると感じている人は私の周りにもかなりいますね・・・
  • 2017-10-06 23:54
  • 悪堕ち触手服淫紋丼つゆだく(ネギ抜き)
  • URL
  • 編集

[C184] Re: タイトルなし

悪堕ち触手服淫紋丼つゆだく(ネギ抜き)

> 私の場合は前兆の逆パターン?が多いです。
> 私は2回死にかけましたがなんかそんな中でもなんとかなるって気持ちがありました。
> そんな何も具体性がないけど確かな確信も前兆なら私も前兆はあると思います。
>
> 馬鹿な人にも多いけど、結構深刻な目に逢っている人もなんとかなると感じている人は私の周りにもかなりいますね・・・

「あわわわ……大丈夫だったんですか?
 確かに、本によれば困難な状況でもふっと心境が変化するような些細なきっかけは前兆であるそうです。
 どんな時でも決してあきらめない心でいたいものですね」(深空)
  • 2017-10-07 02:28
  • MIZUKU
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